2024年4月から運送業における時間外労働が年間960時間までに制限されます。「2024年問題」と言われ現行サービスの維持が懸念されています。各社は対応を急いでいます。
輸送料金引き上げ
トヨタ自動車は、2024年問題の対応として物流会社に支払う料金を引き上げる方針を示しました。残業が年960時間に制限されることを踏まえ、トラック運転手の残業時間が減っても年収を維持できるよう、運送料金を値上げすることで、年収の維持と人材確保につなげます。一時取引会社からトヨタへ部品を運ぶ業者が対象とされています。
バスやタクシーも対象
時間外労働の規制は、トラックだけではなく、バスやタクシーなど様々な運輸サービスの運転手も適用の対象となります。
旅行シーズンなどには、観光バス運転手は不足し、路線バスでも全国各地で運転手不足が理由で減便や値上げが相次いでいます。
働き手の多様化
働き手の多様化が求められています。日本のトラック運転手の女性比率は低く、2022年度の女性トラックドライバーの数は約3万人で、男性ドライバーが82万人でした。女性の割合はわずか3.5%と少ない状況にあります。
そのような中、佐川急便では、女性従業員の比率を上げるための取り組みを行なっています。短時間から働ける仕組みづくりや、台車や自転車で集配を行うサービスセンターの設置、荷物の積み下ろし作業にかかる負担を減らすための、「スワップボディ車(車体と荷台部分が脱着できる特殊なトラック)」の導入など、女性が働きやすい環境へ整えています。その結果、女性比率は10%以上増え、女性管理職の登用も増えているようです。
深刻化する運転手不足、「2024年問題」の対策が急務となっています。